「ボイトレを行う」前に習得しておくことがあります。
歌を歌うときの基本的な呼吸法で、「腹式呼吸」というものがあります。今回はそのメリットや必要性、練習方法やコツについて説明していきます。
先に結論を言うと歌を歌うためには「腹式呼吸」が必要です。
「腹式呼吸」を実感したい人は仰向けに寝転がって鼻から息をゆっくり吸ってください。お腹が膨らみます、これが「腹式呼吸」です。
体が縦になっている状態でも同じことをできるようにしましょう。お腹にある風船を膨らませるイメージです。
では詳しい内容に入っていきます。
腹式呼吸とは
呼吸法には「胸式呼吸」と「腹式呼吸」の２つあります。
２つの呼吸法の仕組みを簡単に言うと、肋骨の辺りの筋肉を使って胸の空間を拡縮させて呼吸するのが「胸式呼吸」、横隔膜を膨らませて呼吸するのが「腹式呼吸」です。
今回必要になってくるのが、後者の「腹式呼吸」です。
「腹式呼吸」は横隔膜の上下運動というのがポイントです。息を吸う際に横隔膜が下がり内臓が押し出されお腹が膨らみます。
お腹に空気が入って膨れているわけではありません。
この呼吸法は最も効率的にたくさんの空気を取り込める方法と言われています。
ライブは勿論、ボイストレーニングなどの練習から歌を歌うときはどんな時も腹式呼吸を意識しましょう。
メリット・デメリット
腹式呼吸のメリットはいくつかあります。
まず腹式呼吸を使うと、吐く息の量やスピードをコントロールしやすくなります。
また、吸い込む息の量が「胸式呼吸」より多いです。
そして腹式呼吸は胸式呼吸よりも使う筋肉が鍛えやすい筋肉であるので、合理的に訓練しやすいです。
最後にもう一つ、腹式呼吸は一気に息を吸い込むことが出来るという事です。（息継ぎの時間が短くても十分な量の息を体内に取り込む事が出来る。）
デメリットに関しては、一切ありません。
なので腹式呼吸を使うことをお勧めします。
歌を歌うとき以外でも、学校の先生や講師、お店の営業など日々声を出す職業をされている方は腹式呼吸がきっと役に立つでしょう。
腹式呼吸は歌にどのような影響があるか
何のために腹式呼吸をするのかと言う理由をしっかり理解しておかないと、モチベーションが続かなくなります。
腹式呼吸を行う事によって歌にどのような影響があるかを覚えておきましょう。
声量がアップして歌に強弱が付く
腹式に変えたことで、吐き出す息の量が増えます。
それによって声の大きさがアップします。
また、息の量をコントロールしやすくなることから、声の強弱もコントロールしやすくなり、自由に操ることが出来るようになります。
もちろんそれには特訓が必要ですが。
厚みのある声を出すことが出来る
厚みのある声とは、低い周波数の音がしっかり出ているしっかりとした声の事を言います。
俗に言う「腹から声が出ている」とは腹式呼吸により、厚みのある声が出ているという事です。
実際に声の波形を録音すると、腹式呼吸をしている人としていない人の声の波形が違いすぎて一目瞭然です。
薄っぺらい声であると高い声で歌ったときに耳にキンキンすると感じられてしまう危険性があるので、やはり腹式呼吸で声の出し方を見直しましょう。
練習方法・鍛え方
腹式呼吸を鍛える方法があります。
冒頭で言った腹式呼吸を簡単に実感する方法と同じように、仰向けに寝転がって、鼻からゆっくり息を吸います。
このときに（もう一人人がいれば）お腹を誰かに押してもらいましょう。
意識することは、息を思いっきり吸うというよりは、横隔膜を下げてお腹を膨らます事です。
１人で鍛える場合は自分でお腹に負荷をかけましょう。
このトレーニングをすることで、短い時間で空気を取り込むことが出来るようになります。
また、呼吸の練習方法として
- １秒間で息を吸う。
- ５秒間息を止める。
- ５秒間で息を出す。
これを１０回繰り返しましょう。
息を吐きだすときはスーと言いながら空気を出していくと息の量がどれだけ抜けているかわかりやすくなると思います。
コツや練習場所
コツというよりは注意点として、力まない事を意識しましょう。
腹筋を鍛えることに意味はありません。ここで使う筋力は息を吸う筋肉です。
腹式呼吸で使う筋肉を鍛えるには腹式呼吸に負荷をかけて行うしかありません。
練習あるのみです。
練習場所に関しては、家で十分でしょう。ボイトレと違って息のトレーニングは声を出さないため静かに行うことが出来ます。
音が鳴るとしても「スー、・・・・ハ～」くらいです。
一応身内には何をやっているのかを説明してからトレーニングしましょう。
息が苦しいのかな？と思われてします。
最後に
腹式呼吸は歌を歌うに当たって、基本中の基本で必須事項です。
なかなか実感は湧きづらいとは思いますが、日々歌う際に意識することで必ず身に付きます。
焦りは禁物です。
長い時間をかけて習得しましょう。
腹式呼吸を意識しながら「ボイストレーニング」を行っていきましょう。
